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第三章 シャグラン・ダムール

第三章 シャグラン・ダムール

それは恋の煩い、あるいは愛の哀しみ―― 譲り受けたチケットを手に、観劇へ向かう人間と吸血鬼。
なんの運命のいたずらか、過去の因縁が動きはじめる。
さあ、今回は――いったいどんな姿を見せてくれるのかしら?


登場人物

◆ルー・ループス・カウフマン
教会機関に所属する、化け物殺しの審問官。
憂鬱な定例報告のために首都に出向き、市民同士のいさかいを仲裁する。
その礼にと渡された舞台演劇を観に行った先で、思わぬ出会いをすることになる。

◆ロクスブルギー
曰くつきの棺の中で眠っていた『吸血鬼(ドラクル)』。
友人であるカウフマンの家に住み、気ままな生活を送っている。
『姉』の存在を話したことをきっかけに、かつてのことを回想する。

◆リドヴァン・フランメ
舞台演劇『シャグラン・ダムール』の主演を務める俳優。
端正な顔立ちと軽妙な語り口の、軟派な印象の美青年。

◆淑女
月の光のような金髪の、自由で美しい女性。
『シャグラン・ダムール』のチケットを携え、ご機嫌な様子で劇場へ向かう。

世界設定

◆第十三教区
夜鬼(ナイトゴーント)討伐機構『白夜』の別称。
教会機関に従わない者を裁く『異端審問官』としての性質が強い呼び名。

◆『原種(スピーシス)』と『雑種(ヒュブリダ)
『吸血鬼』の分類。
『原種』は超自然的に発生した生命体で、『雑種』は一部の生殖可能な『吸血鬼』から生まれた個体。
一般に『原種』の方が総合的に力が強く、『雑種』の方がヒトに近い思考を持つと言われる。